Book: No Office » はじめに - 「刻々と変化する仕事スタイル」 » 第2章 - 私にはチームがある [Draft] | team.md

第2章 - 私にはチームがある

あなたはNo Officeチームを作れるか?

前の章でも触れましたが、私がNozbeを作ったのは、身の回りが煩雑になり、それを整理したかったからです。デビッド・アレンの「Getting Things Done: The Art of Stress-Free Productivity (仕事を成し遂げる技術―ストレスなく生産性を発揮する方法)」1 を読んだのがきっかけで、より生産的に仕事をするためのアプリを作ろうと思い立ちました。

初期のプロトタイプを開発したとき、私以外にこのアプリに価値を置いてくれる人がいるのか半信半疑でしたが、生産性を追究するグループの間で発表したところ、わずか3ヶ月でNozbeユーザーは5,000人にまで爆発的に増えました。

Nozbeプロジェクトはどんどんと拡大していったのですが、依然としてワンマン経営でした。コーディング、マーケティング、カスタマーサポートなど全て私一人で管理していたのです。どの業務も好きだったのですが、Nozbeを全く新しいレベルへと引き上げるには、自分よりも優れたプログラマーが必要だということにすぐに気がつきました。

トムとの出会い: どのように200 kmも離れたところにいる最初のプログラマーを雇ったのか・・・

その当時、私はワルシャワに住んでおり、その都市に住んでいる人にプログラミングを手伝ってもらおうと考えていました。候補者を探し始めたところ、かなりの数の候補者が見つかりましたが、一番良かったのはトムでした。しかし、彼はワルシャワ在住ではありませんでした。彼は200 km離れたトルンの大学を出ており、彼の住所はワルシャワから300 km離れたポズナンの近くにありました。そして、彼はワルシャワへ引っ越すことを望んでいませんでした。

私は離れたところに住んでいる人を雇うことに懐疑的でした。本当に私は「バーチャルな」チームを構築できるだろうか?特に、スタートアップの初期段階で取るべきリスクだろうか?遠く離れた人に私のコードベース全てを渡すことができるだろうか?果たしてうまく行くのだろうか?

トムと私は最終面接のためにワルシャワで面会し、その後、一日使っての作業セッションをテストするために再会しました。私たちは意気投合しました。私は彼にぜひとも私のプロジェクトに参加してもらいたかったので、リモートでの協働を提案してみることにしました。

その時には気がついてはいなかったのですが、その時何が起こったのかというと、「No Office」会社であることの最初の大きなメリットを私は経験していたのです。 それは、周りにいる優秀な人を雇うのではなく・・・

・・・その仕事に最適な人を雇うということです。

その人が最高で最適である限り、どこにいようと関係ないのです。

はたしてオフィスは必要だろうか?

トムと一緒に仕事を始めて一年ほど経った頃、私はカスタマーサポートを手伝ってくれる人が必要になりました。以前マーケティングコンサルタントとして働いていた時にお世話になった人に相談しました。彼女はその仕事を快く引き受けてくれました。その当時、彼女は私のかなり近くに住んでいたにもかかわらず (ワルシャワ内の隣の地区)、彼女はオフィスがなくても全く構わないとはっきりと言ってくれました。

さて、2人の正社員。オフィス無し。まずまず順調です。

次の数年で、私のチームは10名以上に拡大しました。チームは皆ばらばらの町に住んでいました。Nozbeは成長し、アメリカだけでなく、日本やポーランドでも人気が高まりましたが、私たちチームは 「バーチャルで一緒に」その成長を喜んでいました。

繰り返しになりますが、Nozbeユーザーは私のオフィスがどこにあるかなど気にしていませんでした。もちろん、私が2LDKのアパートで仕事をしていたことも知りません。

彼らが知っていたのはただ一つ、Nozbeのアドレス: Nozbe.com だけです。

オフィスが無いことで、多くの人に可能性が!

ポーランドの南の国境近くにある小さな町に住んでいたリードデザイナーのフーベルトを雇ったことを覚えています。人材スカウト会社は彼にワルシャワへ引っ越すことを勧めていましたが、彼は動きませんでした。様々な事情から彼は引っ越したくなかったのです。しかし、彼は変化を望んでいました。彼の小さな町では、仕事に関して将来の発展性があまり見込めなかったからです。彼はもっと稼いで、もっと刺激的な仕事をしたいと思っていました・・・しかし、このまま自分の町に留まりたいとも思っていました。そんな両立が可能なのでしょうか?

この時私は「No Office」のもう一つの利点を発見しました。それは優秀な人材を雇用できるだけでなく、彼らが引っ越さずとも、ベストに活躍できる仕事の機会とより良い給料を提供することができるという点です。

これがフーベルトが私たちと一緒に働き始めた理由であり、何年も経った今でも一緒に働いている理由でもあります。

オフィスが無いことを最大限に活用した人も・・・

親しい友人からの推薦でマグダを私のアシスタントとして雇いました。当初、マグダはこの「No Office」という職場環境に非常に懐疑的でした。彼女はワルシャワ出身で、「起きて、化粧して、大きなガラス張りのオフィスへ行く」というルーチンに慣れていました。しかし彼女は柔軟な考えの持ち主であったので、オフィスなしの仕事を試してみることにしました。

数ヵ月後、彼女は私にこう尋ねました: 「マイケル、フランスに引っ越してもいいですか?フランスに住むことはずっと私の夢だったし、私たちにはオフィスがないので、フランスへ引っ越すことが特に私の仕事に支障をきたすことではないはずですよね?」

私は彼女にこう尋ねました: 「フランスではインターネットがありますか?」

私たちはお互いに笑って、それだけでその件の話は終わりでした。

彼女は2年間フランスへ引越し、そしてまたワルシャワに戻ってきました。彼女の夢は叶い、そして、その間ずっと仕事も続けることができました。彼女とは今でも一緒に働いていて、今では彼女なしで働くことは想像できません。

マグダの経験は「No Office」会社のもう一つの利点を証明してくれました。優秀な人材がライフスタイルを劇的に変えたいと思ったときでも、彼らを社員として引き留めておくことができます。チームメンバーが離れた街へ引越しするといった場合、どうなるでしょうか?通常であれば、彼らは仕事を辞めなければなりません。Nozbeでは、マグダは2年間居住国を変えましたが、同じ会社で仕事を続けることができました。

このような柔軟性はチームメンバーにより良いライフスタイルを選択できる機会を提供することができます。メンバーは誰でも皆、住みたい場所を自由に選択できるのです。私たちの会社ではよくあることですが、会社での仕事に慣れてきた人たちは、しばしば引越しを考え始めます。ある人は地元へ帰ったり、またある人は夢の場所へ・・・。

そして、彼らは仕事を気にせずそれを実行できます。なぜならば、行くのが仕事ではなく、するのが仕事だからです。

時には、普遍なのは仕事だけ!?

もう一人紹介したいチームメンバーがいます。Nozbeでパートタイムをしているカスタマーサポートのルークです。ルークは変化を好む性格です。彼はこれまで30以上の異なるアパートに住んだことがあり、ポーランド、ベルギー、オランダなど様々な国へ引越しした経験があります。彼は退屈を嫌い、新しい物事が大好きです。

そんなルークの人生の中で、数少ない普遍のものの一つはというと、それはNozbeでの仕事です。ノートパソコンがあれば世界中のどこからでも彼の仕事は遂行できるので (さらに彼にはこの仕事に秀でています!)、どこに引っ越しても彼はこの仕事を続けています。この仕事があるからこそ、彼は「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」のようなライフスタイルを続けられるのです。最近の個人面談で、彼は私にこう認める発言をしました: 「マイケル、私の人生ではたくさんのものが移り変わります・・・Nozbeの仕事以外は。」

チームを今後もっと拡大させていけるか?

すでに現在私のチームは20名以上に増え (すでに何年も前からこのくらいの規模でやってきた実績があります)、この質問には自信を持って、「はい、オフィスがなくてもチームを成長させることができます」と言えるでしょう。私のチームよりもはるかに大きなリモートチームもあります。Nozbeの2倍、3倍の規模のオールリモートの社員を抱える会社もたくさんあります。オフィスを持たず、1000人以上の社員を持つ企業も存在します。このことについては、次の章でもっと詳しく説明します。

ここでトムの話に戻ります。最初に私が雇った人物は、現在も私と一緒に働いています。しかし、彼はもう大学生ではありません。彼はNozbeのCTOとなり、そして、妻と2人の息子と共に地元で暮らしています。Nozbeと一緒に歩んできた12年の間、彼の人生は劇的に変化しましたが、彼の仕事だけは変わりませんでした。

1つのキーポイント: 仕事を変えなくても、ライフスタイルは変えられる。

「No Office」の会社であれば、仕事に本当に最適な人材を採用して会社を改善させていけるだけでなく、社員のライフスタイルをも向上させることができます。社員はどこでどのように生活するかを選択することができます。そして、大学を卒業したり、結婚したり、子どもが生まれたり、引越しをしたりと彼らの周辺状況は変化するかもしれませんが、仕事は変える必要がないという選択肢を持つことができるのです。

Next: 第3章 - 私には未来がある?

Back to the Table of Contents

Read this chapter in:

Share: NoOffice.org/jp/team