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第6章 - 社内のやり取りにメールを使うのを止める

「チーム内のコミュニケーションにはメールを一切使わない!メールは外部とのコミュニケーションにだけ使おう!」

チーム内ではメールでやり取りをしない

講演会などで人と話す機会があると、私の「生産性向上のための秘訣」について頻繁に質問されます。その内の1つは決まってこのような質問です: 「メールをどのように扱っていますか?メールをうまく使いこなすコツは何ですか?」 そこではあたかも、私が魔法の特効薬を隠し持っていて、それを出してくれるのではないかと人々は期待しているかのようです。

しかし、私の答えはしばしば期待を裏切るものかもしれません:

私はメールが苦手です。そのため、ほとんど使っていません。私の会社でもメールはほとんど使っていません。

もちろん、社内全員が “@nozbe.com” というメールアドレスを持っていますが、社内ではメールの使用を禁止しています。

そう聞くと、しばしば人は 「本当にそんなことができるのか?」 といった顔をします。

もちろんそれは可能ですし、あなたのチームがより生産的になりたいのであれば、そのような環境に変化すべきです。それでは、どういうことかより詳しく説明していきましょう。

メールはコラボレーションに使うのではなく、外部との連絡手段として使う!

メールはあなたにとってもチームにとっても厄介なものです。毎日たくさんのメッセージがメールボックスに届き、そこでは社内のメールと外部からのメールが、重要なものからそうでないものまで、全てごちゃ混ぜになってしまうからです。

この問題を解決するには、特別な社内のコミュニケーションチャンネルを設計する必要があります。私たちは2つのアプリを使っています: SlackとNozbe Teamsです。私たちのやり方についてはこれから詳しく説明していきますが、その前に、まずは、なぜメールはチームの活動をコントロールするのに最悪のツールなのかということについてもう少し補足したいと思います。

まず第一に、たとえメールボックスに優れたフィルターを設定していたとしても、その中には “スパム” が紛れ込んだり、意図しないスレッドに入ってしまうものが出てきたりと、メールボックスの管理は大変骨の折れる作業となり、効率的ではありません。

第二に、忙しいプロフェッショナルが陥りがちな、最悪な罠の存在です。「メールが得意」になって、自分は効率的だなという時は、受信者にとってはそうでないということです。

例を挙げましょう。ここで質問です。あなたが誰かにメールを書いていて、異なる2つのことを述べたいと思ったら、メールは1通にしますか?それとも2通ですか?もちろん、1つのメールにすると思います。その方が効率的ですね。2つのメールを送って、相手に変に思われたくないでしょう?そうです、これこそがメールが抱える本質的な問題なのです。

このことをうまく説明している私の友人の話を紹介します。それは彼が休暇中に起こった出来事です。

彼は同僚から怒りの電話を受け取りました。彼らが取り組んでいた案件に関して、彼が重要な情報を見落としていたというのです。彼はいつも休暇の前には徹底的に仕事を終えておくようにしていたので、このことにとてもショックを受けました。彼のチームは、仕事のほとんどをメールで調整し、ごく一部のことだけは社内ツールを使って管理していました。彼の携帯からは社内ツールにはアクセスはできませんでしたが、メールにはアクセスできたのでチェックしたところ、見落としがあったことに気づきました。彼は2つの異なるケースについて社内の他チームの同僚と一緒に取り組んでおり、1つのケースに関して、その他チームの同僚が彼にメールを送ったのですが、そのメールの中で「ところで」と言いつつ2つ目のケースに関しても重要な情報を言及していたのです。この2つ目の情報を私の友人は完全に見逃してしまっていたのです。

そして、第三の問題としては、重要なメールと雑音のようなメールの比率の問題があります。チームの人々は、メールを送る時にチーム全員やその数人をCCやBCCに入れると思います。誰も取り残されないようにするために。このことがメールの数を指数関数的に急増させ、人々の注意が一つ一つのメールに十分に向かわなくなり、物事が抜け落ちていく可能性をとても高めてしまっているのです。

解決策はとてもシンプルです:

社内コミュニケーションにはメールの使用を禁止し、コメントができる専用ツールを使いましょう

社内コミュニケーションはプロジェクトやタスクを通して行う

今は2020年です。電子メールよりもはるかに優れたオンラインのチームコラボレーションツールがたくさんあります。これらのツールを使えば、プロジェクト、タスク、及びフィードバックを完全オンラインで効果的に管理できます。それらのツールのほとんどは複数プラットフォームに対応したアプリを持っているので、アプリを複数デバイスにダウンロードすれば、チームの情報にどこからでもアクセス可能にします。さらに、誰がどのプロジェクトやタスクに取り組んでいるかを明確に把握することができ、クリアーに作業できます。

このアプローチの利点は、デフォルトでは基本的に、1つのタスクやプロジェクトには、1つのコメントスレッドしか付いていないということです。このため、2つまたは3つの事柄に対するフィードバックを、1つの返信で行うという混乱を避けることができます。

1つのタスクに1つのディスカッション。これこそがシンプルでフォーカスできるやり方です。

Nozbeでは、これをタスクベースのコミュニケーションと呼び1、私たちのアプリNozbe Teamsを使って実践しています。繰り返しになりますが、巷にはたくさんのツールがあるので、あなたのチームに最適なものを選ぶべきです2。メールでのコミュニケーションは止めましょう。

もう一つの利点としては、プロジェクトやタスクを共有することで透明性が高まるということが言えます。各プロジェクトで何が起きているのか、今誰が何を担当しているのか、などを簡単に把握できます。全てが明確です。誰かをコピーしなかった、CCに入れ忘れたなどという問題も完全に回避できます。どのプロジェクトやタスクを頻繁にフォローし、どのプロジェクトはあまりチェックしなくてもいいか、などのレビュー頻度も自分で調整できます。自分で主導権を握って管理できるのです。

リアルタイムのチャットは社内の「雑談」のみに使う

タスクベースのコミュニケーションについて私が特に気に入っているのは、非同時性という事実です3。それは、相手が時間をかけて返信をすることを可能にします。タスクを作成し、よく考えたコメントを追加し、誰かに委任したら、すぐに他の仕事に取り掛かれます。委任された相手も、いつあなたのコメントに返信し、いつ委任されたタスクに取り組むかを自分で決めることができます。もちろん、タスクが緊急性のものであれば、締め切りを設定できます。

このようなやり方はとても健全であり、これこそがチームのコラボレーションのあり方です。実は、本当に緊急を要していて、早急に対応が必要なことというのはほとんどありません。大抵は待てることが多いはずです。そのため、通常は相手に十分に時間をかけて取り組んでもらい、あなたも十分に考え抜いたフィードバックをすることを心がけるべきです。

しかしながら、時には本当にとても急いでいて、すぐに返信が欲しい場合もあります。そんな時には、私たちは社内チャットを使っています。Slackというアプリです4

とは言うものの、メールからチャットに切り替えて、チャットオンリーで行こうとはしないでください。

それは罠です。多くのチームがメールの代わりにチャットアプリを使ったコラボレーションを試み、失敗しています。それは素晴らしい第一歩ですが、すぐにストレスになってしまうからです。チャットアプリはメッセージが簡単に素早くやりとりされるので、大事な情報をすぐに見失ってしまい、誰が何に責任を負っているのかも不鮮明になってしまいます。

そのため、私たちはチャットを以下の利用に制限するようにしています:

  • 緊急の要件があり、誰かとすぐに連絡を取る必要がある場合。特に、現在のプロジェクトが終盤を迎えている時など。
  • チーム全体で何か簡単なことを伝えたい時、自分の状況のアップデート (“コーヒータイムに行きます” や “休憩に行きます” など)、何か面白いものを “ランダム” チャンネルで共有したい場合。

チャットで誰かが言及したことに対して、仕事のアクションが必要なものであれば、そのタスクを作成するよう依頼します。こうすることで、チャットと仕事を明確に区別することができます。

外部からのメールでアクションが必要なものはタスクに変換する

社内コラボレーションにメールを使うのを止めたら、今度はそれを一緒に仕事をする外部の人にも広げていきましょう。

もし単発的に外部の人と協働しているのであれば、メールだけをあなたあのプロジェクトマネジメントツールに転送し、自動的にタスクに変換して作業していきましょう。それらのメールはあなたのシステムに入り、チーム全体で効率的に取り組むことができます。ほとんどの最新のツールであれば、メールを自動的にタスクに変換するということが可能です。

フリーランサーや請負業者と定期的に協働しているのであれば、彼らをあなたのプロジェクトマネジメントツールにチームメンバーとして招待したり、プロジェクトだけを共有して、一緒に作業しましょう。そうすれば、彼らとより効率的に協働できます。

書き出されたテキストでコミュニケーションを取る

書き出すことの重要性については以前の章でもお話しましたが、Eメールを使ってドキュメントを添付して送るのは止め、テキストや個々の段落にコメントが付けられるような最新のライティングツールを利用しましょう。

これは社内コミュニケーションにもなり、さらに、添付ファイルを送信し合うことよりもはるかに効率的です。メールで言及した資料を添付し忘れてしまう、という何度も起こるミスも防げることは言うまでもありません。

前にも言いましたが、今は2020年です。チームで効果的にコミュニケーションを取るためには、最新のツールを利用すべき時代なのです。

1つのキーポイント: チームコミュニケーションにはメールでなく最新のアプリを使おう

恐れずに、Eメールの使用を禁止してみてください。Eメールは外部の人との連絡のみに使用し、内部のコミュニケーションには、プロジェクトやタスク、ドキュメント、チャットを通してコミュニケーションできるツールを使いましょう。

このようなコミュニケーションの方法を取れば、チームの皆が常に最新の情報で共通認識を持つことができ、さらに、いつチームの仕事に集中して取り組むか、いつ外部とのやり取りをするかということも自分で主導権を握ってコントロールできるようになります。

これらの2つのコミュニケーションチャンネルがごちゃ混ぜになることはもうありません。

これが、私がメールのやり取りにそれほど苦労していない理由です。例外的にたくさんのメールに対処しなければならないのはNozbeアプリのEメールサポートですが、私が個人的に問い合わせに答えているわけではなく、チームは専用のカスタマーサポートアプリを使って効率化を図っています。

私にとってはチームとの効率的なコミュニケーションが一番大事なことなので、他の様々なことと切り離した状態でクリアーにコミュニケーションできるところが非常に効果的で気に入っています。

本章の内容に関しては、デビッド・バーカス (David Burkus) 著「Under New Management」を読むことをお勧めします5

  1. タスクベースのコミュニケーションとは? 

  2. 私たちが開発したNozbe Teams は私たちチームでも使っています。それに代わる優れたツールとして、BasecampAsana、またはTrello などがあります。これらのツールは、プロジェクトとタスクマネジメントに対するアプローチがそれぞれ少しずつ異なるので、チームのニーズや働き方に適したツールを選ぶようにしてください。 

  3. 非同時性コミュニケーション: 最高の生産性ブースター 

  4. 私たちは チャットにSlack を利用しています。それに代わる優れたツールとして、Microsoft TeamsTwist などがあります。 

  5. Some Companies Are Banning Email and Getting More Done はデビッド・バーカス (David Burkus) によって書かれた記事です。私と同じような主張をしています。彼の著書: Under New Management: How Leading Organizations Are Upending Business as Usual の中でもより詳しく説明されています。 

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