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第4章 - 集中時間を確保する

必要なのは愛と・・・そして、物事を成し遂げるための集中した時間である。

より効果的にチームメンバーに仕事をしてもらうには、どうすればいいのでしょうか?最新のツールを提供する?もっと機器を増やす?もっと賞与をあげる?机やイスを高級にする?どれもそうかもしれません。しかし、チームリーダーとしてのあなたができる最も重要なこととは、チームメンバーに集中した時間を確保してあげるということなのです。

なぜ集中はそれほど重要なのか?

人は素晴らしい仕事をするために会社に雇われています。会社の収益に貢献するために。そのためには、優れた成果を出さなければなりません。X時間の仕事で、10Xの成果を生み出すことが求められます。

しかし、もし彼らの仕事がいつも邪魔されていたとしたら、どうやって彼らに優れた成果を出してもらうことができるでしょうか。

時間が足りないという訳ではないのです。集中した時間が足りないのです。

ナレッジワーカーは頭脳をフルに使い、専門知識を駆使して、素晴らしい仕事をするために会社に雇われているのです。

しかし、たくさんの会議を詰め込まれたり、Eメールや通知に追われたり、同僚に「ちょっとだけ」と邪魔されたりすると、彼らの仕事は失敗する運命を辿ります。

さらに悪いことに、マネージャーの多くは彼らを全くサポートしていないのです!マネージャーたちは、議題の定まっていないような会議を定期的に開いては、人々の注意を引くためにあらゆる方法を駆使しています。本来であれば、管理職というものはチームを守り、チームメンバーが集中できるようサポートするべきはずなのです。それこそがマネージャーの本来の仕事のはずなのです!

集中の時間を確保するには?

マネージャーとしてのあなたの一番の目標は、中断されることのない長い時間をチームに確保してあげることです。以下、そのためのいくつかのアイデアを紹介します:

会議や1on1ミーティングの必要性をその都度確認する

会議/ミーティングについては後ほど詳しく扱いますが、どのような内容かをここで少しお話します。会議を招集したり、カレンダーに追加する前に、本当に必要なものかどうかを確認してください。何かを伝えたいだけであるならば、紙かメールに書いてチームに送るだけで十分ではないでしょうか。メッセージだけで十分であるならば、ミーティングを開催する必要はありません。

話しかけてもいいかどうか許可を取る

誰かと話す必要がある場合に、席を立ってその人のところへ気軽に行くのは止めてください。まずは相手にメッセージを送って、話が可能かどうか確認してください。相手がその時取り組んでいる作業が終わってから話をするように働きかけてください。また、あなたが何を話したいのかを簡単なメッセージで説明しておくと、相手も準備することができ、より有意義な会話にすることができます。

カレンダーにはスイスチーズの穴を確保しよう

スイスチーズは大きな穴がたくさん開いていることで知られています。スイス人はそのことを誇りに思っています。彼らは、穴が大きければ大きいほど、おいしいチーズになると信じています。

チームカレンダーにも会議の合間ごとに大きな穴が開いているようにしてください。大事なことの前に一息入れる余裕を確保してください。「立て続けの会議」をしないでください。その上で、連続して会議を設定するような人には決してならないよう心がけましょう。さらにやってはならないことですが、マネージャーとしてチームメンバーを立て続けに会議に参加させてはいけません。

メンバーに息抜きを与え、緩和する時間を確保してあげてください。次の会議で忙しくなる前に、何か価値のあるものに貢献できる機会をチームに提供するように努めましょう。

意義のある仕事をするのが先で、会議はその次です。

集中できる環境を作る

オフィスのレイアウトを効果的にしたいのであれば、人同士が近くに座りすぎないようにしましょう。不必要な通知をオフにし、ASAP (As Soon As Possible できるだけ早く) をなるべく使わないという職場環境を作りましょう。即時の返答を必要とするものというのは、実はほとんどありません。他の人にそのような要求をしないようにしましょう。

回答の期日などあなたの希望があれば、それをはっきりと伝えましょう。Nozbeでは、自分の担当の仕事が完了したら、その旨をタスクにコメントし、必要があれば他の人へと委任します。委任を受けた人は、そのタスクで要求された仕事を終えたらあなたにまた通知をするので、あなたはすぐに確認できます。なので、あなたは委任が済んだら、ただ機械的に他のタスクへ取り組むだけでいいのです。ある程度待つ時間があっても構いません。

ぜひ、ASAPを周りに要求する人にはならないように心がけましょう。ASAPには中毒性があります。それを多用することは、素晴らしい仕事を促進することには全くつながりません。それどころか、ストレスを助長してしまいます。

チームメンバーの集中時間を最大化することは、マネージャーの最優先課題とも言うべきものです。

「オープン」オフィスは掃除機のように部屋から集中を吸い出してしまう

現代のワークスペースの新しい定義は、どうやら「オープンフロアー」のオフィスのようです。皆が隣り合わせに座り、さえぎる壁がなく、仕切りもありません。そこでは、プライベートなスペースが一切存在しません。

しかし、多くのマネージャーや上司はこのコンセプトを好みます。周りにいる人々が偶発的な会話をしながらお互いを刺激し合い、アイデアが人々の間で電波のように流れ、創造性が上昇すると彼らは主張します。

シリコンバレーの多くがそのようなオフィスを取り入れています。Facebookはとても派手な建築スタイルを取り入れた世界最大の「オープンオフィス」を建設したと言われています。Appleはたくさんのオープンフロアーを備えた宇宙船のようなオフィスを作ったと言われています。このように、AppleやFacebookなどのシリコンバレーの企業の多くがオープンオフィスを取り入れているので、それは素晴らしいことに間違いないと思いますよね?

しかし、実際のところ、そのようなオフィスは上司のエゴに応えるために作られているのです: 「私の驚くべき、創造的な、オフィスワーカー工場を見て!」といったようなエゴに。

そういった会社の上司に、なぜ彼らが自分専用の部屋で多くの時間を過ごし、オープンフロアーで働かないのかと聞いてみてください。

そこには典型的な「私のやるとおりにするのではなく、言うとおりにしなさい」という瞬間があるのです。「オープン」オフィスのレイアウトでは人は集中できません。しかし、上司にとっては状況をよく観察することができ、「周りを見て管理する」ことを容易に可能にします。

では、そのようなオフィスで働きたいかどうか、誰にでもいいので聞いてみてください。人はオープンオフィスを好みません。そこでは集中するのに苦労を要します。そのため、有意義な仕事をする障害にさえなります。本当に仕事をする時には、彼らは背中を向けて身をかがめているのです!

上司は「偶発的な会話」、「コラボレーション」、「偶然の発見」、「気楽にアイデアを交換」などど言い、それは確かに素晴らしいことですが、あなたがそのような素晴らしいアイデアを得た時に、をそのような状況の中にいては、それを練り上げるための十分な集中と時間を見つけることが果たしてできるでしょうか?十分な準備ができるでしょうか?多角的な視点で落ち着いて分析できるでしょうか?このような場所では難しいと思います。

「オープンオフィス」の現実

私はこのようなオフィスをいくつも見てきました。そこで働く人々はノイズキャンセルのヘッドフォンをし、たくさんのモニター画面を並べ、机の周りやスタンディングデスクの下にたくさんのダンボールを置いたりしています。1

これは本当に良くありません。もっと最悪なことですが、オープンオフィスでのワークプランという神話は、すでに80年代に崩れているにも関わらず、今になってそれを実行していることです!かの有名な「Peopleware (ピープルウェア)」という本の中でもオープンオフィスの有効性は疑問視されています。2

オフィスにいる人々に効率的に最大の集中力で仕事をしてもらいたいのであれば、厄病のような「オープンオフィス」は避けた方が賢明です。

1)開放的なデザインのオフィスはやめましょう。 2) 「オープンオフィスデザイン」で行こうか迷った時は、ポイント1. を見てください。 3) 何らかの事情でどうしても「オープンオフィス」にしなければならない場合には、以下のガイドラインを参考にしてください。

仕事にフォーカスできるオフィスにするためのガイドライン

オフィスを設計する際には:

  • 人々の間のスペースを十分に確保しましょう。考え事をしたり、浮かんだアイデアを落ち着いて整理できる、平穏で静かな空間を与えてください。
  • 家具やホワイトボード、壁などを利用して、人々がお互いに見えないような配置をしましょう。
  • できれば、オフィスの中心に滝を配置しましょう。水の音は心を落ち着かせ、会話の音を打ち消します。
  • 会議や会話のために別の部屋を用意しましょう。そうすることで、話す行為が他の人の邪魔にならないようにします。
  • オープンスペースでは極力会話はしないというような「図書館ルール」を導入しましょう。
  • カフェやキッチンのような、より魅力的な「共通スペース」を作りましょう。人々が気軽に集まり、コーヒーを飲んだり、創造的な会話ができるような場所にします。

私の友人が「オープンオフィス」に反発した話

私の友人の一人は、従業員が2,000人以上いる伝統的な大きなオフィスで働いています。彼の会社ではプロジェクトの拡大に伴いオフィスに新棟を増築することになり、その新棟に「オープン」なスタイルのオフィスがデザインされました。

友人のチームにとって、それは悪い知らせでした。彼らはこれまでのプライベートなスペースのあるスタイルのオフィスに慣れてしまっており、また、彼らの仕事にもそのスタイルが適していたのです!彼らの仕事というのは、一日のほとんどを分析や、長くて複雑な書類を作成したりすることに費やします。そのためには、集中して行うことが不可欠なのです。しかし、いきなり上司は彼らにこの新しい「オープン」な環境に移ることを命じました。

彼らはきっぱりと拒否しました。

「嫌です」と上司へはっきりと言いました。彼らの部署は会社の中でも大きな収益を生み出す部分であったため、彼らにはある程度の力があったのです。

話し合いや議論の末、ようやく上司は折れました。会社は友人のチームをそのまま古い棟に残し、他のチームを「オープンオフィス」へ移動させたのです。

ところで、この話の悲しいところは、上司が本当の意味でヒントを得られていなかったことです。会社の重要な部署が「オープンオフィス」で仕事をしたくないと言ったのなら、そもそもオープンオフィスはこの会社にとってあまりいい考えではなかったのではないでしょうか。

1つのキーポイント: 社員の集中時間を確保しよう!

行くのが仕事ではなく、するのが仕事であるとしたら、自分や同僚が本当に仕事を実行できる環境を作りましょう。マネージャーとしては、チームメンバーの集中した時間を最大化できるように全力を尽くしましょう。同僚としては、他の人の仕事に気を配りましょう。彼らの目の前の仕事が終わるのを待ってください。彼らに十分集中できる時間を与えてください。彼らが最高の仕事ができるように配慮してください。そして、あなたも同じように取り組みましょう。

仕事と集中についてより詳しく知りたい方は、カール・ニューポート (Cal Newport) の優れた名著: 「Deep Work」をお勧めします。3

  1. 私は自分のブログの中でシリコンバレーの リモートワーク軽視 について、オープンオフィスのフロアープランへの妄信 について、Facebookのオフィス について、そして一番最近では モダンな職場についてのドキュメンタリー についての考察などを書いています。 

  2. トム・デマルコ (Tom DeMarco) とティム・リスター (Tim Lister) 著、Peopleware: Productive Projects and Teams 初版1987年、1999年及び2013年改訂。 

  3. カール・ニューポート (Cal Newport) 著、Deep Work: Rules for Focused Success in a Distracted World (2016) 

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