- 自分で自分のレビューをしなければ、そのうちツケを払うことになるだろう
- 毎週自分自身とミーティングをする
- 四半期ごとに丸一日かけて自分とのミーティングをする
- チームにも両方のレビューをしてもらう
- 1つのキーポイント: 自分の仕事や人生をレビューする時間を取ろう!
自分で自分のレビューをしなければ、そのうちツケを払うことになるだろう
昨今の世の中では、人は皆、単純に忙しすぎます。やることが多すぎるので、次に何をすればいいのか、どこに行けばいいのか、などとすぐに自分を見失ってしまいます。
そのため、一番大きな声で叫んでいる方に耳を傾けてしまいがちです。
誰かが「緊急だ」「ASAP」「今すぐ」などと叫べば、私たちはその方へと向かい、それを片付けるためにドーパミンを放出します。それはいいことかもしれませんが、では、実はそれは最も重要なことではなかった、としたらどうでしょうか?最も重要でないどころか、全く重要でなかったとしたら?また、誰も叫んではいなかったけれども、実は本当に緊急なことがあり、皆がそれを無視していたとしたら?
だからこそ、私はこれまでの章の中で、集中して仕事をすること、定期的に任意の会議をすること、物事を書き留めておくこと、チームでタスクを介してコミュニケーションを取ることの重要性を強調してきました。
しかし、あなたが十分に注意を払い、優れたシステムをセットアップしていたとしてもまだ十分ではありません。大切なことを大切にし続ける ためには、定期的にレビューをする必要があるのです 1。
毎週自分自身とミーティングをする
Getting Things Done の中でデビッド・アレン2 はウィークリーレビュー の概念を作り出しました。それは、前の週を振り返り、次の週の計画を立てるために自分自身と会議を行うというものです。デビッドは彼のセミナーの中で、次のことを強調していました。「私はウィークリーレビューをする時、つまり、週に一度だけしっかりとした思考活動を行います。一週間後にまた深く考える機会があるので、あとはただ行動していくだけです。」
ウィークリーレビューの習慣をマスターするのは難しいですが、それはとても有用です。それは基本的に5つのステップで構成されています:3
- Inboxをキレイにする (受信したドキュメント、Eメール、など)
- 自分の目標を再確認する
- 過去一週間のカレンダーと日記を読む
- 来週のカレンダーをチェックする
- 全てのプロジェクトとタスクをレビューする
簡単そうに聞こえますが、実際に行うのは大変な仕事です。Eメールや受信ファイルなどは山積みになりがちです。目標はあいまいになりがちです。カレンダーにはやりたくないけれども引き受けてしまったスケジュールでいっぱいです。リストにはあまりにも多くのプロジェクトやタスクが並んでいます!
そんな状態なので、最初のウィークリーレビューに丸一日はかかるでしょう。そうです、まるまる一日です。でも、とにかくやってみてください。次第にレビューに2時間くらいしかかからなくなってくることでしょう。
2時間も?!と驚かれますか?まだ多過ぎると思いますか?いえ、そんなことはありません。
ウィークリーレビューはあなたにとって最も重要なミーティングです。なぜなら、それはあなたの目標やあなたの時間など、あなたに関する全てだからです。そして、時間はプライスレスであることを忘れないでください。
先週を振り返って、コーヒーを飲みながら雑談したり、同僚と近況報告し合ったり、ソーシャルメディアを閲覧したり、といったことに何分、いや、何時間を無駄にしたかを考えてみてください。その中から2時間くらいは簡単に見つかると思います。ウィークリーレビューを今すぐカレンダーに予約して実行に移しましょう!まずは自分のことを優先しましょう。あなたの周りの皆のためにも。
飛行機に搭乗する度に、機内の気圧が低下した場合には、まずは自分に酸素マスクを装着してから、周りの人を手伝うよう言われますね。あなたが子どもと一緒に乗っていたとしてもです。
ウィークリーレビューはその酸素マスクです。あなたにとってこのミーティングほど重要な会議はありません。そうでなければ、あなたはチームや家族のために心から貢献することができないのです。
四半期ごとに丸一日かけて自分とのミーティングをする
Podcastのインタビューの中で、グレッグ・マッケオン (Greg McKeown) は彼の 四半期ごとのオフサイト のコンセプトについて紹介をしています 4。それは基本的には、一日の休みを取って、自分の過去の四半期をレビューし、次の四半期の目標を計画するというものです。
私もこれを何年も続けているのですが、四半期ごとに見直しを図ることは、新年の抱負 よりもはるかに強力であることを発見しました。私は新年の抱負に関しては、たいてい年の始めに計画したその数週間後にはもう忘れてしまっていますので。
過去3ヶ月の自分の仕事、目標、指標、及び人生を定期的にレビューし、次の3ヶ月を計画するということが、私の最も強力な生産性の秘訣の一つです。
私がよくやる方法にならい、ここでも5つのステップを採用しています:5
ステップ1あなたの大きな全体像と再接続する
あなたの人生で最も重要な目標/分野を少なくとも3つ書き出してください。
- 5年後の自分はどうなっていると思いますか?(その時の自分の姿と、何を達成しているかを書き出しましょう)
- 今年をどうやって締めくくりたいですか?(新年の抱負を書き出しましょう)
この部分は、自分の目標や自分の人生での大切な領域との再接続です。あなたが正しい方向へ向かっていることを確かめるのです。有名なことわざにこうあります:
「どっちへ行っているのかわからなくても、どの道を行ったってそこにたどり着けるさ」
あなたが行きたい場所を確かめてください。
ステップ2前四半期をレビューする
その期間に起きたことを確認します:
- 過去3ヶ月の自分の日記をレビューします
- 過去3ヶ月のカレンダーをレビューします
- 前四半期を深く考察します
- 過去3ヶ月を書き出したら、その下のスペースに成功したことや失敗したことを書き込みます
焦らないで時間をかけてやってください。前四半期に得たこと全てに目を通し、その数ヶ月の間に成功したことと失敗したことを書き出します。次のことを忘れないでください: 「失敗はない、あるのはフィードバックだけだ。」
ステップ3次の四半期の計画を立てる
さて、プランニングの時間です。
- もう一度、あなたの人生の目標や次の5年間の目標、今年の目標をそれぞれ見直してください。
- 次の四半期の数ヶ月を書き出し、各月の下にスペースを取り、そこにあなたの目標/計画を書き出します
- 次の3ヶ月のカレンダーをレビューし、あなたが書き入れたことがまだ有効であるかどうかを確認します (もう重要ではない場合には再考してください)
毎月ごとに大きな目標を立てそれにフォーカスしましょう。個々のタスクについてあまり深く専門的に考えすぎず、大きな目標、大きな領域、または最も重要なことだけに集中しましょう。
ステップ4難しい質問に答える
これらの質問はとても強力で効果的なので、ことあるごとに自分に投げかけてみると良いでしょう。そうすれば、ただ 流れに身を任せる のではなく、より意識的に人生を送ることができるようになります。
改善すべき領域:
- 何を改善すべきだろうか?
- 何を学べばいいだろうか?
- どのような新しい/異なるスキルを身に付けるべきか?
優先順位:
- 何をもっとやるべきか?
- 何を減らすべきか?
- 何を完全になくしたらいいだろうか?
あなたが成功を築き上げたり、失敗から学んだりしていくことで、確かな経験を積み重ねていくようにしてください。
ステップ5もう一度、全てを見直す
計画の作成が全て完了したら、一旦休憩してください。昼食、散歩・・・などをしてください。その後で、もう一度全てをレビューします。過去の四半期や次の四半期のまとめをもう一度確認し、高いレベルであなたの目標とつながっているかを確かめてください。
- 前四半期のあなたの成功と失敗をもう一度よく見てみましょう。抜け落ちている出来事がないか確認してください。
- 次の四半期のあなたの計画/目標を見直しましょう。本当に重要で不可欠なものだけであることを確かめてください。野心的になりすぎないように注意してください。
チームにも両方のレビューをしてもらう
私の会社でも、毎週、及び四半期ごとに 仕事の一環として 社員全員にレビューをしてもらうようにしています。ウィークリーレビューをどのようにチームに導入したかということについては次の章で説明いたします。
四半期ごとのレビューに当たり、私たちは以下の2つのことを導入しました:
- 3ヶ月ごとに、チームの全員が 四半期のレビュー をするための休暇を1日もらえるようにしています。社内のウェブサイトでどのようにレビューしたら良いかをシェアするようにしています。
- チームメンバーと1対1で面談するようにしています。各部署のリーダーがチームメンバーと個別に話す機会を設け、一緒に四半期のレビューをします。
CEOとして私も役員たちと1対1の対話を設けています。これらのレビューと1対1の対話の後で、私も自分の四半期のレビューを行います。自分の目標を点検するだけでなく、それらが会社の道筋と合致するかを確認するようにしています。そして必要に応じてコースの修正を行っています。
個別の対話は完全にカジュアルに
3ヶ月に一度、個人個人と話す機会があることは本当に素晴らしいことだと思います。特に、従来型のオフィスのようにお互いに顔を合わせる機会の少ないリモートチームであればなおさらです。
チームメンバーは四半期のレビューの一部か、レビューをした上でのまとめを上司と共有します。
対話の中では、仕事の質やタスクの量などに関する質問などがあるかもしれませんが、このミーティングは仕事のパフォーマンスを評価する正式なものではありません。
私たちは皆リモートで仕事をしているので、ホームオフィスの状況や家族がリモートワークをどのようにサポートしてくれているのか、などについてお互いに確認します。会社として、個人個人のワークライフバランスの向上にどのように貢献できるかを知ることがとても大切なのです。
四半期ごとに学んでいく
レビューや対話を終えた後で、個人個人のフィードバックをもとに、チームとしての改善点を提案します。私たちはカイゼンの実践と継続的な改良をしていくよう常に努めているということを第12章でも延べましたが、より大きいレベルでのレビューをしても、そこには必然的に結論や提案が伴います。
それらの多くは、私の来月のvlogとして発表されます (詳しくは第9章で説明しています)。
1つのキーポイント: 自分の仕事や人生をレビューする時間を取ろう!
この章の重要なポイントは、毎週、及び四半期ごとに自分の仕事や人生を見直す時間を投資チャンスだと捉えることです。
より良い未来、よりスマートな自分、より健全なチームとなるための時間の投資なのです。そのための時間をきちんと確保するようにしてください。
この章の内容に関して、さらなるインスピレーションを得るために最適な本は、グレッグ・マッケオン著 Essentialism (エッセンシャル思考) です 6。
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スティーブン・コヴィー(Stephen Covey) 著書: 「The main thing is to keep the main thing the main thing.」からの引用を言い換えています。 ↩
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デビッド・アレン (David Allen) 著 Getting Things Done: The Art of Stress-Free Productivity ↩
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グレッグ・マッケオン (Greg McKeown) は マイケル・ハイアット (Michael Hyatt) のPodcast This Is Your Life にゲスト出演しています。グレッグ・マッケオン (Greg McKeown) との私のインタビュー もぜひご覧ください。 ↩
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私のパーソナルブログにはたくさんの役立つリンクやリソース がありますのでぜひ見てみてください。私はこのコンセプトに関して、Podcastのエピソード73 でも話しています。 ↩
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グレッグ・マッケオン (Greg McKeown) 著 Essentialism (エッセンシャル思考): The Disciplined Pursuit of Less は、私の最もオススメの本です。 ↩