Book: No Office » 第2部 - 「オフィスがもしなかったら?」 » 第27章 - 社交的になろう [Draft] 第30章 - 安全性を確保しよう | social.md

第27章 - 社交的になろう

仕事以外で他の人と出会い、素晴らしい関係を築くには

「私たち人間は社会的な存在です。私たちは他人の行動の結果としてこの世に生まれてきました。私たちは他者に依存して今ここに生きています。(..) だからこそ、私たちの幸せが他人との関係の中から生まれてくるのも不思議ではないのです。」
ダライ・ラマ14世 (Dalai Lama XIV)

在宅ワークは仕事後に人と付き合うエネルギーをもたらす!

20年近くも在宅で仕事をしていると、他の人間が恋しくならないかとしばしば聞かれます。しばしば他の人から私は、もともと活動的な人がなぜか家に閉じこめられ、人と接触を絶っているように見えるようです。しかし、これは真実とは程遠いと言わざるを得ません。

私はぜんぜん人恋しいと思いませんし、むしろ他のオフィス勤務の人々よりも社会生活が充実しているとさえ思います!ええ、本当にそう思っています。

典型的なオフィスワーカーを見てみましょう。彼らは仕事から家に帰ってくると、その頃にはすっかりエネルギーを使い果たしてしまっています。一日の間にたくさんの人を見たり、多くの人と接したりしてきたので、家に着いたら一人になりたいと思いがちになってしまいます。そのため、夜にはテレビを見たりNetflixを見たりするだけという人が多いのです。人との関わりにうんざりしているのです。

はい、確かにオフィスワーカーも社交的になります。しかしほとんどが週末です。平日はそうではない場合が多いでしょう。

私はその逆です。平日の日中はあまり人と会いませんが、午後になると家族と何かしたり、友人と会ったりするのが待ち遠しくなります。そうして私には人付き合いをするための精神的な余裕がずっとあるのです。

余談: この章を書いている今でも、まだまだ世界的にCOVID-19のパンデミックの真っ只中です。そのような現在では、これまでのように人と会うことができないので、このことについて書くことは苦痛を伴います。しかし、将来的には皆がワクチンを接種し、もっと人と接触できるようになることを大いに期待しています。そのため、願望や希望としてもこの章を書いています。この章が早く役立つ日がくることを願っています!

会うのを選ぶときと、会わなければならないとき

仕事中の人付き合いと仕事後の人付き合いの大きな違いは、人間関係の質です。オフィスでは、あなたが好むと好まざるとにかかわらず、一定の人と会わなければなりません。職場の人々は上司や様々な環境によってそこにいるように選択されたので、彼らはそこにいます。あなたが好きな人もいるかもしれませんが、苦手な人もいるかもしれません。そうであっても、あなたはただ彼らと同じ場所にいなければなりません。

自宅で仕事をしていれば、好きではない人とはあまり関わらないように仕事をすることができます。そして、仕事が終わった後は、会いたい人を自由に選べるのです。

もう一つの利点として、職場の人とは仕事の話をします。現実の友人とは別のことを話します。

最も重要なことは、仕事以外の人々はありのままのあなたを見てくれるということです。あなたがCEOであろうと、マネージャーであろうと、ラインワーカーであろうと彼らは気にしません。あなた自身のことが好きなのです。

私はこのことがよく分かります。妻が転職したとき、私たちは現在の住まいに引っ越して来ました。彼女の同僚たちとの付き合いが始まりました。当初、私が「家から仕事をしている」と言ったときに彼女の同僚の多くは、私には仕事がないと思っていたそうです。キャリアを積んでいるのは私の妻であり、私は専業主夫だと彼らは思っていたのです。彼らは私がデジタルな世界では多少知られた存在であり、デジタルソフトウェア会社のCEOだとは全く知りませんでした。しかし、私たちが楽しく過ごせればそんなことは誰も気にしませんでした。

素の自分でいられながら楽しく人付き合いできるということはどれほどいいことなのか、改めて説明する必要はないと思います。

フレックスタイム制のおかげでスポーツを通じた交流が可能に!

私が好きな人付き合いの方法の一つが、スポーツを通しての交流です。私はアマチュアのトライアスロンの選手であり、水泳やランニング、自転車などを定期的に練習しています。それは健康や体型維持にも役立っています。数年前からテニスクラブにも通い始め、年々テニスが上達しているのを実感します。これらは全て別々の競技ですが、いずれも私の社交の助けともなっています。

フレキシブルワークについて第15章でも説明したように、在宅で仕事をしている時にはきっちりと9時から5時までと言う風に仕事をしている訳ではありません。一日のどこかで休憩を取り、スポーツをするようにしています。時には一人で行うこともありますが (オーディオブックを聴きながらビーチをランニングするなど)、しばしば誰かと一緒に行うこともよくあります。以下、いくつかの例を挙げてみます:

  • 月曜日に私は少し仕事を遅く開始します。朝に仲間のサルバトールと一緒に1時間の水泳をするからです。一緒にトレーニングをした後に短いコーヒーを飲み、お互いの仕事へと戻ります。
  • 水曜日には朝早くからしっかり仕事に集中します。午後の早い時間帯に仲間と約2時間のサイクリングをするようにしています。仲間はロバート、ダン、またはニック (または全員と!) です。
  • 金曜日はスティーブと毎週テニスの試合をしています。

このように、私はスポーツを通じてとても忙しい社交生活をおくっています。これらの仲間は皆、お互いに仕事などのつながりはありません。スポーツを通じてつながりが生まれ、いろいろなことを話したりしながら強い関係を築いているのです。そして、金曜日にウィクリーレビューを終え (これについては第16章をお読みください) 、さらに自己啓発のために時間を過ごした後では (第17章で説明しています)、スティーブとテニスをするということが最高の喜びです。それは一週間の仕事を終えるのに最適な方法となっています。

仕事以外の趣味が人とのつながりを深める!

スポーツだけではありません。「ポッドキャスト」1 の共同ホストでありチームメンバーでもあるラデクは、仕事が終わると自転車に乗って「ワルシャワハッカースペース」へ行き、そこで様々なバックグラウンドを持ち、会社も異なる人々と交流しています。彼らに共通しているのは、複雑な工業用装置を改造して何か面白いものを作るのが好きだということです。ラデクは自分で自分のことを内向的だと言っていますが、このような人たちと一緒に過ごし、彼らから学び、面白いことで溢れている空間で過ごすというのが好きなのです。

ここでも繰り返しますが、彼は在宅で仕事をしているため一日のほとんどを一人で過ごします。そのため仕事が終わったら仕事とは関係ない人々と交流し友情関係を構築するための心の余裕がたくさんあるのです。

子供たちを通して新しい出会いがある

感情の帯域幅の話となると、その帯域幅を無限に持っているように見える生き物がいます。子供たちです。学校で一日を過ごした後でさえ、彼らはまだ遊びたい、誰かと会いたい、走りたい、その他様々なことをしたいと言います。

もしあなたにそのような年頃の子供がいるなら、そのエネルギーを利用して、他の子と遊ぶ約束をしたりしながらその親と交流し、自分の社交的活動に利用しましょう。

私には3人の娘がいますが (12歳、8歳、4歳です)、父親となったそれらの数年間で学んだことは、あなたの友人の輪は、子供の学校の環境にも影響されるということです。あなたの子供たちは他の子供と遊びたがりますから、あなたもその子供たちの親と出会うことになります。その機会を前向きに捉え、新しい人々と知り合いになりましょう。子供たちがお互いに好きなら、あなたもきっと彼らの親を気に入ることができると思います。

お遊び会を恐れるのではなく、受け入れましょう。他の親と知り合いになって、子供たち同士が遊んでいる間に交流しましょう。これが、私が現在の親友たちと知り合った方法です。自分の子供を通して知り合いになったのです。

平日の夕方にお遊び会をすることが多いですが、このようにして子供も大人も交流することができるのです。

同じことが誕生日会にも言えます。誕生日会を開催するとたくさんの子供たちが遊びに来ますが、親はほとんど残りません。普通は子供たちを送りに来たら、すぐに帰り、パーティーが終わったらまた迎えに来るだけです。私にも気持ちがよく分かります。大人たちはその数時間を自分のために使うことができ、それはそれでいいことです。しかし、私はできることならそのような誕生日会に残ります。そうすることで残っている親の何人かと一緒におしゃべりすることができます。子供たちが遊んでいる間に、ビールやコーヒーを飲みながらお互いに親しくなることができます。私はこうしてたくさんの新しい友人を作ることができました。

チームのメンバーに仕事以外の楽しみを持ってもらうようにしよう!

第14章でチーム内で仕事以外の生活を充実させることの重要性について触れました。ジムの会員の特典などを提供し、仕事以外の趣味を奨励することについて紹介しました。

自分の仕事以外の生活について他の人と共有することで、モチベーションを高めることにもつながります。通常、私たちの会合の中で (前章を参照してください)、チームメンバーに自分の趣味に関するプレゼンテーションをしてもらいます。コーヒーの焙煎から家のリノベーション、台湾での生活、トライアスロンのトレーニング、献血、などなどチームメンバー各自が情熱を注いでいることについてこれまでお互いに学びました。このようにして、各自が興味のあることを追究し、自分の居心地の良い場所から一歩踏み出すことを奨励しています。また、仕事だけの人生であるというようなことにならないようにしています。

皆が外出しているかちゃんと確認しよう!

COVID-19パンデミックの流行が猛威を振るっていた当初、多くの経営者から、在宅で仕事をしている社員が本当に仕事をしているのかをどうやって確認したらいいかということをしばしば聞かれました。私は笑ってしまいました。私は、人がきちんと働いていないのではないかということを心配する必要はないと伝えました。むしろ、働きすぎにならないかどうかを心配してくださいと言いました。私の主な仕事の一つは、チームメンバーが家から出ているかどうかを確かめることだと説明しています。散歩に行っているかどうか。他の人と会っているかどうか。趣味を持っているかどうか。

そのため、チームの一人一人との定期的なミーティングをする時に (第24章参照)、趣味について聞くようにしています。彼らが仕事以外で何をしているのかに興味があります。仕事で心が潰れていたり、燃え尽きたりしないようにしたいのです。誰もが健康で、健全でいてほしいと思っています。

パンデミックの時代に人付き合いをするには?ビデオ会議を活用しよう!

これまでの章で、他のチームメンバー(第24章) や顧客と(第25章) 私がどのようにつながろうとしているのかを説明してきましたが、この時代には、ビデオ会議を積極的に活用して他の人と会いましょう。

私の親しい友人の一人は、たった2kmしか離れていないところに住んでいますが、彼はウイルスをとても恐れていて、たとえマスクをしていたとしても直接は会いたくないと言っています。私は彼の意見を尊重しています。誰でも自分の裁量で慎重度を決める権利があると思います。そして他の人はそれを許容するべきだと考えています。そこで私たちは、月に一度バーチャルコーヒービデオミーティングをスケジュールすることにしました。一緒に過ごし、話し、つながるのです。

私と妻は他の友人ともそのようなつながりを持っています。現在彼らとは直接会うことができないので、夜に彼らとのビデオ会議のセッションの予定を入れ、子供たちを寝かしつけてから、ワインを片手に友人たちと過ごすのです。このようにして、私たちは一緒に過ごし、つながりを保っています。もちろん、直接会って話をするのとはまた異なりますが、このような困難な状況が長くは続かず、ウイルスの脅威にさらされることなく、気軽に友人たちと遊びに行ったり、食事に行ったりして、社交的な活動ができる日が一日でも早く来ることを期待しています。

1つのキーポイント: 仕事が終わったら人に会おう!

在宅での仕事は、仕事以外で人と会う素晴らしい機会をあなたやチームメンバーに与えてくれます。ですので、それを優先してください。パソコンを閉じて、外へ出かけましょう。友人と会ったり、近所の人と話したり、趣味を深めたりしましょう。一日の大半は家のオフィスで一人で過ごしていれば、仕事が終わったら人と会うためのエネルギーや気持ちの余裕がたくさんあるはずです。積極的に人付き合いをすれば、あなたの人生がより豊かになり、間接的に仕事ももっとうまくいくようになるはずです!

  1. ラデクの趣味については、The Podcast FMのエピソード211で話しています: ThePodcast.FM/211 

Next: 第28章 - 休暇を取ろう

Back to the Table of Contents

Read this chapter in:

Share: NoOffice.org/jp/social