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第18章 - お互いを信頼しよう

「仕事をコントロールするのもいいかもしれないが、信頼する方がはるかに良い!」

どちらがより重要か?信頼、それともコントロール?

ビジネスの世界には、信頼は良いが、コントロールはもっと良い という言葉があります。基本的には、人々がそれぞれの仕事をしてくれるという信頼を持っていてもいいのですが、彼らを徹底してコントロールする必要があるということを言っています。

私にもコントロールが重要なことは分かります。ただ、従来のようなチェックやミス探しではなく、チームメイトが目標を達成するための手助けをするという意味でのコントロールに限ります。それについてはまた後ほど詳しく…

ここでは、「No Office」の会社では信頼の環境を作ることが特に重要だと私が考える理由を述べたいと思います。

ここで、新しい標語が必要です:

コントロールは良いが、信頼はさらにもっと良い!

人々が本当に仕事をしているかどうかをコントロールするには?

オールリモートのチームを率いることについて誰かが私に質問する時、彼らがまず最初に疑問に思うことは、チームメイトが仕事をしている姿を見れないということについてです。社員たちはそれぞれの自宅のオフィスに隠れ、サボっているのか、映画を見ているのか、それとも本当に働いているのか、結局のところ私には分かりません。

そのように聞かれた時、私はすぐに質問を返します:

  • 従来のオフィスではどのように人をコントロールしていますか?
  • 彼らを直接見ることができます! そのように彼らは答えます。
  • そうですね、彼らがそこにいることは見て分かるでしょう。しかし、どうして彼らが本当に働いているかが分かりますか? と私は再び尋ねます。

オフィスで忙しいふりをするのは簡単だ

実際のところ、従来型のオフィスでは仕事をしているふりをするというのは実はとても簡単です:

  • 通路や自販機の横で、何時間とは言わないまでも何分も同僚とおしゃべりすることができます。
  • コーヒーを淹れたり飲んだりしながら同僚と何分もおしゃべりすることができます。
  • タバコ休憩にも同じことが言えます。タバコを吸わない人もそのような場所に行って同僚の話に参加するという話もよく聞きます。そのような場所ではオフィスのゴシップがしばしば飛び交うからです。
  • パソコンの前に座っているからと言って、必ずしも仕事をしているわけではありません。ソーシャルメディアをチェックしているかもしれないのです。あるいはビデオゲームをしているかもしれません。

忙しいふりをして、仕事をしているふりをする人は、その方法をよく知っています。大げさにタイピングします。たくさんの会議に参加したり、何か重要なことを言いたがります。頻繁に上司の近くに現れ、上司の目に留まるようにしています。上司よりも先に帰ろうとしません。

従業員を泥棒のように扱う企業は自分自身を恥じるべきだ!

先日、リモートワーカーをコントロールするために使用されている方法について人々が議論しているのをソーシャルメディアで目にしました:

  • 社員のホームオフィスにウェブカメラをインストールさせ、リアルタイムで人を監視するためにビデオ会議ソフトウェアをオンにさせておく
  • マウスの動きを追跡したり、モニターのスクリーンショットを定期的に撮影したり、ウェブブラウザの履歴を会社のサーバーへ送信するようなソフトウェアを事前にコンピューターに入れている
  • 仕事の進捗状況を1時間ごとに報告させる
  • 不意にランダムに電話をかけ、人々が働いていることをチェックする

いくつかのサイトの記事やソーシャルメディアのメッセージからこのリストをまとめているだけで、はっきり言って私の胃が痛くなりました。

これらは本当なのでしょうか?企業は仕事をするためにプロフェッショナル (大人) を雇っているのに、彼らをそのように扱うのではなく、彼らを泥棒もしくは嘘つきの集団だとでも思っているのでしょうか?

リモートで見せるには、人は仕事で示さないといけない!

上に書いたように、オフィスでは忙しいと思わせる方法がありますが、リモートワークでは仕事を通してでしか自分を見せる方法はありません。

だからこそ私は、皆の集中時間を守り(第4章)、書き留めておくことを習慣付け(第5章)、シンプルにタスクでコミュケーションを取る(第6章) ことに力を注いでいます。タスクが完了されれば、それが進捗となるのです。プロジェクトが完了されれば、それで人々が働いているということが分かるのです。

「No Office」の会社では、人は仕事を通してはじめて可視化され、声も届くようになります。それ以外に注目される方法はありません。

仕事の上での信頼関係が素晴らしい職場環境を作る!

私のチームはお互いに何百キロと離れていますが、お互いに信頼し合っているので一緒に仕事をすることができます。

第一に - 信頼のおかげで人は素晴らしい仕事ができる!

第2章で述べたように、私は最初のプログラマーとしてトムを雇いました。彼は私よりずっと優れていたというのが理由です。しかし、彼にNozbeの全てのコードベースを渡してしまうということは、私にとって大きな信頼を必要としました。今日では、チームには多くのプログラマーがおり、全員が私より優れているので、私にコードを書かせてくれなくなったほどです。プロダクト、マーケティング、カスタマーサポートチームについても同じことが言えます。

多くの企業ではそれは反対のようです - 彼らは自分よりも優れた専門家を雇うことを恐れています。そのような マイクロマネージャー は、社員の能力や素晴らしい仕事をしようという意欲を信じていないので、人々をコントロールする必要があるのです。

あなたの社員を信頼しましょう。プロフェッショナルを雇い、彼らに仕事をさせましょう!

大切なことは、人を信頼し、チームが必要とする成果を提供する彼らの能力を信頼することです。真のプロフェッショナルは、自分の能力が評価されていることに感謝し、成し遂げるためには何が必要なのかを自分で考えることのできるスペースを与えられているという環境に感謝するでしょう。そしてほとんどの場合、彼らは、マネージャーやビジネスオーナーであるあなたよりもはるかに優れた仕事をしてくれるでしょう。

第二に - 信頼のおかげで人々は優れたフィードバックを与え合うようになる

人はお互いの仕事を信頼し合っていると、お互いに価値のあるフィードバックをしたくなるものです。フィードバックを与えるということが、本書の第10章で説明している コミュニケーションのピラミッド の中で2番目に重要なレベルであるのには理由があります。

信頼できる組織の中では、フィードバックを与えることを やるべき仕事 としています。

お互いに信頼を促し、フィードバックを推進するために、私たちは仕事に対するコメントを可能にするオンラインツールを使っています。また、Nozbe Teamsのほとんどのプロジェクトはデフォルトでチームの誰もがアクセスできるようになっています。これらのおかげで、チームの様々な人から貴重なフィードバックをもらうことができ、仕事をより良いものにすることができるのです。

第三に - 信頼のおかげでお互いに助け合うことができる

チームに信頼の文化があるとき、マネージャーの仕事というのは人々が働いているかをコントロールすることではありません。

マネージャーの仕事は 奉仕し助けること になります。

そう、その仕事というのは基本的にチームメンバーができるだけ楽に仕事を実行できるように、チームメンバーの邪魔になるようなものを全て取り除いてあげることなのです。それが結果的に会社の目標達成につながります。これが肝心のポイントではないでしょうか?

最近私はニュー・アムステルダム1 という医師たちを描いたTVシリーズを観ていましたが、その中の主人公は病院のディレクターでした。そこでは、誰かが彼にコンタクトを取ると、それが他の医者であろうと看護師であろうと用務員であろうと関係なく、彼は同じ質問をするのです: 「私に何ができますか?」

第四に - 信頼のおかげで人々はより多くの仕事を行うことができる!

COVID-19パンデミックが発生したとき、多くの人が初めて自宅で仕事をすることを余儀なくされました。ほとんどの人は適切にセットアップされたホームオフィスや、十分な機器を備えていなかったため、かなりひどい状況でした。それに加えて、多くの人が自宅で子供の世話をしたり、配偶者とやりとりしたりと対応しなければなりませんでした。

この本の執筆を準備している間にも、私はたくさんのビジネスオーナーと話し、このような状況の中での彼らの経験について質問しました。何がうまく行ったのか、何がうまく行かなかったのか、最大の驚きは何だったのか、などを私は知りたいと思いました。

そして、聞いてください。彼らがポジティブに驚いたこととは、人々は全く問題なく働いていたということです!さらに良いことに、オフィスにいたときよりも仕事をしていないということは、全くなかったのです!

これは何という記念碑的な価値のある発見でしょう。人々は実際に働いていました。大きな困難にもかかわらず、彼らはたくさん働いています。そのため、リモートワーカーをコントロールするためのそのようなシステムを導入することは非常に馬鹿げているのです。

リモートワーカーはむしろ働きすぎているのであって、働かないということでは全くないのです。

だからこそ、本書の以前の章の中で私は、人々に柔軟な労働時間と、仕事以外の生活を送るのに役立つ特典を与えることの重要性を提起したのです。

第五に - 信頼のおかげで善意に解釈できる

信頼を築くのには多くの時間がかかるので、それを加速させるためには上から動く必要があります。新しい人が採用されたとき、その人は信頼できる人だという前提がなければなりません。その人も多くの信頼を与えられていると感じることができなければなりません。そうしてはじめて、彼らは自分の仕事に集中し、信頼に応えることができるようになるのです。

時間が経過し、信頼の絆が深まって強くなっていくと、そこで得られるものは 疑わしいことを善意に解釈する ということです。もし良いチームメンバーであり、過去に素晴らしいパフォーマンスを発揮していた誰かが突然いい仕事をしなくなった場合、同僚や上司はまず何が起こっているのかを確認しようとするでしょう。チームの中ではその人に対する非難などではなく、状況に対する懸念が生じるでしょう。完璧な人などいませんし、誰もが悪い時期というのを経験します。信頼があれば、まずはケアが最初に来るのです。

そう、時には信頼を壊して失敗する人もいる。

信頼に基づいて素晴らしいものを提供するということが仕事であるとき、コントロールするシステムを導入する必要はありません。誰かが本当にサボっているときというのは、チームの誰にも一目瞭然ですから。上司だけではありません。誰もが気づくことなのです。

これは私やリモートチームの他のリーダーにも何度か起こったことです。そして、それは常に悲しい瞬間です。しかし、それが起こることは非常にまれです。チームから与えられた計り知れない信頼を裏切ってしまうような愚かな人はほとんどいません。

そしてこのような少数の事件があったからといって、それで他の人の仕事を悪化させることがあってはなりません。

信頼とは一緒に働くこと!

ドイツ語で「従業員」を表す言葉は「Mitarbeiter」であり、それは文字通り「with-worker (一緒に働く人)」です。これはいかに人々がチームで働くべきなのかを表しているという意味で私にはとてもしっくりきます。一緒に、そして信頼を持って。あなたが上司であろうと、マネージャーであろうと、ラインワーカーであろうと関係ありません。

私たちは皆 Mitarbeiterであり、同僚なのです。

あなたがすべきことは、チームにとってより偉大なもののために一緒に働くということなのです。

1つのキーポイント: 信頼の文化を構築しよう!

人は誰でも信頼される環境で働きたいと思っています。雇われた仕事に対して自分のパフォーマンスを最大限発揮するために、信頼し合えるチームで働きたいと思っています。実験することができ、失敗することができる場所です。自分らしくいられる場所です。そこでは会社の小細工やテクニックで仕事のモチベーションを高めるというのではなく、素晴らしい仕事をしたいという内側からの欲求に誰もが突き動かされるべきなのです。

私たちのモットーである「No Office」を言い換えてみましょう:

コントロールするのが仕事ではない、信頼するのが仕事である。

この話題についてさらに学びたい方は、Netflixの創業者の本 No Rules Rules を読むことをお勧めします。2

  1. ニュー・アムステルダムTVシリーズ のメインキャラクターはDr. マックス・グッドウィン(Dr. Max Goodwin) であり、ライアン・エッゴールド(Ryan Eggold) が演じています。 

  2. 会社としてNetflixはNozbeにとても似ていますが、はるかに大きな規模です: リード・ヘイスティング (Reed Hastings)、エリック・メイヤー(Erin Meyer) 著 No Rules Rules. Netflix and the Culture of Reinvention。 

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