- 9時5時勤務をやめるか、少なくともオプションにしよう!
- 理想的な一週間の労働時間をデザインする
- 毎日2時間は集中する時間を確保する
- 1つのキーポイント: あなたの一週間の労働スタイルを実験してみよう!
9時5時勤務をやめるか、少なくともオプションにしよう!
仕事をしている人は通常、9時から5時の間オフィスにいなければいけないということは普遍的に認められた真実である1。
これはどうしてでしょうか?なぜ9時5時なのでしょうか?なぜ月曜から金曜の9:00から17:00なのでしょうか?
一般的に、朝起きて朝食を食べて通勤すると、大体9時にはオフィスにいることになります。そして、そこから8時間働き続けて5時に仕事を終え、6時には家に帰って家族で夕食をとるということになっています。これがいわゆるアメリカンドリームです。
しかし、本当にそうなのでしょうか?皆このように働いているのでしょうか?皆が皆、同じなのでしょうか?
誰もが同じ人生のステージにいるというわけではない・・・
小さい子どもがいて学校まで送り迎えしなければならない人がいれば、子どもが10代なのでそれほど手がかからない人もいます。また、子どもがいない人もいます。パートナーがいる人もいれば、独身の人もいます。20代の人がいれば、30代、40代、50代、60代の人もいます・・・あなたの周りを見渡してみてください。
これら全ての要因が、その人の一日の流れに影響を与えています。このように、人によって人生の状況が全く異なっているのにもかかわらず、誰もが同じ9時5時のスケジュールを守らなければならないというのは、馬鹿げたことです。
その上、朝早く起きるのが好きな人もいれば、朝は寝ているのが好きな人もいます。夜に最も生産的になる 夜型人間 の人もいます。それなのに、なぜ、一様に9時5時を強いるのでしょうか?
工場のようなシフトは止めにしよう
オフィスがあるからといって、全員が9時5時にそこにいるようにしなければならないということはありません。オフィスは仕事を成し遂げるためのツールの1つにすぎません。オフィスがスケジュールの決め手になるべきではありません。オフィスは機械を始動する工場ではないのです。
チームの人々は皆、自分で自分のスケジュールを決めるべきなのです。気が向いたら朝早く職場に来たり、一日の途中で用事があれば仕事を抜け出したり、天気がいいから散歩したり、と自分で決めていいのです。夜に仕事をするのが好きならば、夜に来てもいいのです。
本来「残業」などというものはない
残業は悪しき習慣です。存在してはならないのです。人は雇われた役割以上の仕事をすべきではないのです。そしてそれと同様に、自由な時間も必要なのです。
9時5時の文化は残業を促進してしまいます。5時を過ぎても誰がオフィスに残っているのかを皆が見ているのです。上司がまだ残っていれば、部下も同じように残ります。この罠にはまるのは実に簡単です。前の章でもお話したように、健全なチームとは、仕事以外の生活が充実しているチームのはずです。フレキシブルな労働時間は、社員に自由と、自分で自分のライフスタイルをデザインするという主体性を与え、残業も回避することにつながります。
どこで「時間を重ねる」かを合意しておく
私たちは毎週同じ時間に定例会議をするようにしています。そうすれば、その会議の時間を中心にして自分の一日を好きなように計画することができます。いつ他の人と会議で時間を重ねればいいのかを皆が把握しておけるように、いつ仕事に必ずいて欲しいのかということを、私たちはチーム全体で事前に合意をしています。さらに、チャットのメインチャンネルでも、仕事にいる/外出しているということを公開するようにしています。そうすることで、誰がいて、誰がいないのかが一目で分かります。
理想的な一週間の労働時間をデザインする
理想的な一週間の労働時間 という考え方を、私は友人であり師でもあるマイケル・ハイアット (Michael Hyatt) から初めて学びました2。これには、自分の時間をより意図的に使うということを強制する力があります。もちろん、あなたの一週間は毎週毎週異なるでしょう。それが普通です。しかし、一週間をあなた自身の望むように計画し、イレギュラーな出来事が起きる度にそれを調整していくというようなスタンスで取り組むことには十分な価値があります。そうすることで、自分で自分をコントロールして管理していくことができるようになります。
自分の理想的な一週間から始めよう
人は皆違うので、一人ひとりがそれぞれの完璧な一週間の労働時間をデザインするべきです。私のものを以下に紹介します:
- 月曜日 - CEO/プロダクト。月曜の半分はビジネスワークです。役員 会議があります。もう半分はプロダクトの仕事をします。
- 火曜日 - プロダクト。提案、保留中のタスク、または、私が関与している開発プロジェクトの進捗状況などを全て確認します。デザイン 会議があります。
- 水曜日 - マーケティング。マーケティング 会議があり、マーケティングチームにフィードバックを行います。隔週ごとに サポート 改善会議があります。
- 木曜日 - ライティング。この日は会議がありません。この日にはたくさん書き物をするようにしています。ブログポスト、マーケティング関連、面接への準備、などなど。
- 金曜日 - レビュー。私の直近の一週間を見直します。次の週の準備をします。Nozbeでの金曜日については後の章でもっと詳しく説明します。
上記で分かるように、私の一週間の計画は、定例会議と、NozbeのCEOやマーケティングVPとしての活動を中心に展開されています。私はいろいろな役割を担当しているので、私の一週間はそれらをうまく調整しながら、その中で集中した時間を確保できるようにしています。
チームや部署でも理想的な一週間を作成する
同じことをチームの同僚とも行いましょう。この日にはこれをして、別の日にはあれをするというようにチームの全員で合意をしておきましょう。いつ皆が時間を揃えて一緒になって取り組む必要があるか、ということを把握しておくのです。繰り返しになりますが、こうすることでそれぞれが自分の集中する時間をきちんと計画できるのです。以下、私たちがチームで実験してきたいくつかのアイデアを紹介します:
- バグの修正は月曜日 - エンジニアチームは月曜日を週の ウォーミングアップ の日とし、その日の内に保留中になっているアプリの問題をチェックして修正を試みるということをしています。
- デザインの火曜日 - この日にはデザイン会議があるので、皆に提案書や仕様書などのドキュメントを読んでもらい、Nozbeアプリのデザイン上の問題点についてフィードバックしてもらいます。
- フィードバックの水曜日 - マーケティング部では水曜日に会議があるので、これまで取り組んできたことに対して皆からフィードバックをもらう日としています。
このようなアイデアはチームの仕事に自然な リズム をもたらし、一人ひとりがより意識してそれぞれの一週間に取り組むことを促すのです。誰もが自分で自分をコントロールしていると感じられるようになります。自分が今何に取り組んでいるのか、他の人から何を期待されているのか、といったことを深く理解するようになるのです。
毎日2時間は集中する時間を確保する
チームで作業していて問題となることは、たくさんのことがありすぎて、集中して取り組む時間を見つけることが本当に難しいということが挙げられます。第4章でも書きましたが、集中というのは私たち皆が必要とする最も貴重なリソースなのです。
何かに2時間集中して取り組むと素晴らしい成果が得られる!
生産性マニアである私は、これまでたくさんのワークライフハックを試してきましたが3、私にとって有意義な仕事をするための一番のツールは、邪魔されることのない一定の時間だということを最近になって発見しました。では、どのくらいの時間が必要だと思いますか?少なくとも2時間です。
そうなのです。私にとって、物事を前進させるためには2時間の邪魔されない、中断しない時間が必要なのです。特に、企画書の草案を書いたり、ブログポストを書いたり、戦略的テーマについてのフィードバックを考えたりする際にはそれが重要です4。
なぜ2時間なのでしょうか?なぜなら、通常は次のようになるからです:
- 最初の30分は、携帯の通知を切ったりサイレントモードにした状態で、問題について考え始めます。その問題に対処するために必要な全てのリンクやリソースを集めます。
- 次の30分では、作業の開始に着手します。最初の草案やアイデア、アウトラインなどを書き始めます。
- ここまででまだ少なくとも1時間が残っていますね。問題について考えて、集中して、ウォーミングアップができて・・・さて今から完璧に仕事モードに入れるのです。
- 2時間が経過した頃には、チームにフィードバックしてもらうことのできるものが完成しているか、あるいは、さらに30~60分かけて仕上げる勢いに乗っています。
毎日同じ時間に2時間を確保する
私のやり方のコツは、毎日同じ時間に 2時間の集中時間 を確保することです。それを生産性の習慣にすることで、何も考えなくてもそうできるようにしています。
ほとんどの場合、私の2時間は11am~1pmです。この時間帯にすることで、朝にはチームのフィードバックに返信したり、軽い運動したりするのに十分な時間を取ることができ、11時までにはiPadの通知を全てオフにして、フルに集中して仕事モードに入ることを可能にしてくれます。1pmを過ぎたら、私が応答可能であることをチームに伝え、私に割り当てられたタスクをレビューしたり、私が目を通す必要のあるものをチェックしたりします。
この習慣を始めてから、11:00~13:00は私の 集中した時間 であるため、あまり応答できないということを簡単にチームに理解してもらえるようになりました。こうして私が皆の手本となることで、チームの他の人も同じように邪魔されない一定時間を確保できるように促しています。
1つのキーポイント: あなたの一週間の労働スタイルを実験してみよう!
人は皆違います。9時5時勤務や残業といったものはもう過去の話です。一人ひとりがそれぞれの一週間をデザインするべきです。自分が最も生産的になる時間帯を選び、できるだけ邪魔されない長い時間を確保し、自分のライフスタイルに合わせて仕事の時間をフレキシブルに選択するべきです。
このテーマに関しての私のお気に入りの本は、仕事を計画し実行するための現代的な方法についてのアイデアがたくさん詰まった Rework という本です 5。
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私には9時5時のコンセプトは嘲笑でしかありません。ここでは私の好きな小説の一節を言い換えてみました。ジェイン・オースティン (Jane Austen) 著 高慢と偏見 : 「It is a truth universally acknowledged, that a single man in possession of a good fortune, must be in want of a wife (豊富な富の持ち主である独身男性が妻を必要としているに違いないということは、普遍的に認められた真実である。)」 ↩
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このテーマに関してのマイケル・ハイアットの記事です: How to Better Control Your Time by Designing Your Ideal Week ↩
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私のお気に入りのハックの一つは ポモドーロテクニック です。 ↩
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このことに関して 最初に私のブログに書きましたが、その後 Podcastでコアアワーのコンセプト として拡大しました。 ↩
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ジェイソン・フリード (Jason Fried) と デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン (David Heinemeier Hansson) 著 Rework ↩